本記事はC線上のアリアのあらすじと感想、文庫本の発売時期予想を記載しております。極力ネタバレは含まないようにしておりますが、少しでも内容を知りたくな方はご注意ください。
湊かなえ著「C線上のアリア」
イヤミスの女王、湊かなえさんによる最新作がこの度発売されました。
お恥ずかしながら湊さんの作品は今回が初読了だったんです。「イヤミス」という言葉にビビってしまい、なかなか手を出せずにいたのが正直なところ。
リアリティ溢れる物語は多少胃がキリキリしながらも楽しめました、やったよ!
それではC線上のアリアのあらすじと感想、文庫発売の予想時期についてまとめていきます。
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C線上のアリア概要
2025年2月7日朝日新聞出版より刊行。
湊かなえさんとしては2023年12月に発売された「人間標本」以来、およそ1年2ヶ月ぶりの作品となります。
イヤミスの女王と呼ばれる湊さん。この「イヤミス」とは読んだ後に嫌な気持ちになるミステリーの略称なんだそうで、人の心を抉るような読了感が癖になる人も多いみたい。
巷では平和主義者で有名な私、イヤミスとはかけ離れた場所で生活しておりますのでそれはもうドキドキしながら読み進めていました。
また赤と緑の装丁が目を引く本作ですが、読書好きの方ならどこかで見覚えのある有名作品の色合いだと気付くかもしれません!
あらすじ
中学三年生の夏に両親を事故で亡くした美佐は、母親の二つ下の妹・弥生に引き取られ一緒に暮らすことになった。
弥生は「みどり屋敷」と呼ばれる手入れの整った家にひとりで住んでおり、美佐が家を出るまでは何不自由なく面倒を見てくれた。
それから約20年の時が経ったある日。美佐の元へ役場から、弥生のことで「不衛生な格好で外出している姿が見られ、家から異臭が漂っているので様子を見にきてほしい」と連絡があった。認知症の症状も見られるらしい。
かつての我が家へ久しぶりに訪れると、ゴミに溢れ廃屋か幽霊屋敷のような雰囲気を漂わせながらみどり屋敷がそこに建っていた。
変わり果てた弥生とみどり屋敷を前に気持ちの整理も付かぬまま、美佐はみどり屋敷の片付けを始める。
しばらく作業を続けていると、弥生の部屋で鍵のかかった金庫を見つけるのであった。
C線上のアリアの感想(ネタバレなし)
次からはC線上のアリアを読んだ感想について簡単にまとめます。結末に関するネタバレは避けていますが、内容に触れておりますので知りたくない方はここから読まないようにご注意を!
親の介護が重くのし掛かる女性たち
本作には主人公の美佐をはじめ様々な女性が登場しますが、その多くは親の介護に悩まされている、もしくは過去に悩まされた女性たちでした。
介護の相手は夫の母親。嫁姑の関係性は自分の親に比べて言いたいことも言えず、厳しい言葉を投げ掛けられては耐える日々が続いています。しかも夫は全然協力的ではない様子、まったくけしからん。
介護さえ無ければ休日は自由に遊べ、輝かしいキャリアを継続することだってできたはずなのに。まるで永遠と続くトンネルを進むような感覚になる介護は、時に介護をする側の人間を狂わせてしまいます。
それぞれがこの現状から脱却しようと行動するも現実はそう簡単にはうまくいきません。まさに高齢化社会となった現代を反映しているようなお話です。
昔に比べれば「女性が家庭に入るのは当たり前」という感覚は薄れてきたようにも思います。しかし親の介護など、まだまだ女性に頼りっぱなしの家庭が多いのも事実でしょう。
もちろん親は大切な存在であり、年齢を重ねたからといって放っておくことなどできませんが、だからと言って自分の生活や夢を諦めるのも違うような…難しい問題だよね。
介護する人もされる人も、お互いが気持ち良く生活ができる世の中にするためには、現代人の我々が今一度考えていかなければならない問題だと改めて感じさせられました。
意外にソフトなイヤミス感で読みやすい
ちょっとだけネガティブな感想を書いてしまいましたね。ここからは率直な感想を。
前述した通り、イヤミスの女王の作品に対してビビり散らかしていた私はかなり身構えながら本作を読み始めたんです。「嫌な気持ちになるミステリー」の壁が私の前に立ちはだかる思いでした、びくびく。
しかしいざ読み終えてみると、これまた意外と読みやすかったなぁという印象が強い。確かに介護や嫁姑問題のリアルさは読み手のこちらを明るい気持ちにはしてくれませんでしたが、結構ちゃんとミステリーという感じ。
お話が進むごとに伏線も徐々に回収されていくし、「嫌な気持ち」と「ミステリー」の対比が2:8くらいに思います。そもそも「湊かなえ=イヤミス」という、自分の中の決めつけが強すぎたかもしれません。
自分には合わない作品っぽいとばかり思っていたのでその点はとても安心でした。他の湊作品を読んだことがまだないので比較はできませんが、他に比べたらソフトな内容なのかなぁ?もしかすると私にイヤミス耐性があったのかも…。
ミステリー好きの方はもちろんですが、介護や嫁姑の関係性などに悩んでいる方にとって共感できるポイントが多く見受けられたため、そういった状況に置かれている方にもオススメの作品かと思います。
読書量は若干多めだけど大丈夫
C線上のアリアのお話は全7章に分かれており、トータルでおよそ350ページで読書量は若干多め。本作を手に取ると「少し分厚い本だなぁ」という印象があるかもしれません。(私はあったよ)
私は普段から本を読みますがいかんせん読書スピードが遅く、本作は大体6時間で読み終えるくらいの量でした。とはいえ内容が面白かったので、体感はあっという間に読み終えたって感じ。
読書初心者にはちょっとだけ手に取りづらい内容と量だけど、ビビらなくても大丈夫ですよ。こんな偉そうなことを言っている私も読書玄人かと言われればまったくそうではありませんので。
初めての一冊にぜひ!とは言えないかもしれませんが、少しでも小説を読んだことのある方なら最後まで読み切れると思います。
ここまで感想をつらつらと書いてみました。少なくとも私は最初から最後まで充分楽しむことができましたので、気になった方はぜひC線上のアリアを読んでみてくださいね。
C線上のアリアの文庫本発売時期予想
最後にC線上のアリアの文庫本がいつ頃発売されるのか時期を予想してみます。
湊かなえさんの作品は多くが文庫化されていますので、C線上のアリアも文庫本になる可能性は非常に高いでしょう。
過去の湊さんの作品を振り返ると、作品の発売時期とその後の文庫化はこのような感じ。
残照の頂 続・山女日記:2021年2月発売(幻冬舎)、2024年8月文庫化(幻冬舎文庫)
ブロードキャスト:2018年8月発売(KADOKAWA)、2021年1月文庫化(角川文庫)
ポイズンドーター・ホーリーマザー:2016年5月発売(光文社)、2018年8月文庫化(光文社文庫)
物語のおわり:2014年10月発売(朝日新聞出版)、2018年1月文庫化(朝日文庫)
白ゆき姫殺人事件:2012年7月発売(集英社)、2014年2月文庫化(集英社文庫)
花の鎖:2011年3月発売(文藝春秋)、2013年9月文庫化(文春文庫)
Nのために:2010年1月発売(東京創元社)、2014年8月文庫化(双葉文庫)
告白:2008年8月発売(双葉社)、2010年4月文庫化(双葉文庫)
平均するとだいたい文庫化までに2〜3年半くらい掛かっていることが分かります。
C線上のアリアは朝日新聞出版より刊行されていますので、同社から発売している「物語のおわり」の文庫化時期を加味するとおよそ2028年5月前後に文庫化するのではないかと予想します。
まぁあくまで予想なのでもっと早かったり遅かったりする可能性もあります、あしからず…。
文庫派の方は多少時間が掛かるかもしれませんが、首を長くしてその時をお待ちしましょう!
C線上のアリアのあらすじとネタバレ感想まとめ
今回はC線上のアリアのあらすじと感想、文庫本の発売時期予想についてまとめてみました。
とてもリアリティーのあるお話で場面を想像しやすく、あっという間に読み終えてしまいました。
湊かなえさんの作品にしてはイヤミス感が弱めなのか、はたまた私がビビりすぎていたのか。どちらにせよそこまで嫌な気持ちが溜まることなく読了できたので安心。
他の湊作品も読ませていただきましたら、またまとめてみたいと思いますわ!
本記事が少しでも多くの方の参考となりましたら幸いです。
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