本記事は変な絵に関するネタバレ感想やユキの罪について、彼女が逃げなかった理由の考察を記載しております。ネタバレを含みますので読んでいない方は十分ご注意を!
雨穴著「変な絵」
前作の変な家は著者である雨穴さんのキャラクターも相待ってかなりの話題作となりました。
今回の変な絵にはどんな謎が隠されているのか…ミステリアスな雨穴ワールドにまた入り込めるということでさっそく読了。
ミステリー小説好きなら多くが唸る作品がここに、本作を読まずしてミステリー好きを語ることなかれ。
さっそくあらすじとネタバレ感想をまとめていきます。
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変な絵概要(ネタバレなし)
2022年10月23日双葉社より刊行。
覆面作家、雨穴さんの変な家に続いて第2作目の著書となります。
家のお次は絵ということでこれまた面白いところに着目したね、雨穴さんよ。
本を読むのを迷っている方は第一章の内容がYouTubeに上がっているので、まずはこちらをご覧になってみてはいかがだろう。
あらすじ
ここからは変な絵のあらすじ冒頭を簡単にまとめています。
最終的な結末のネタバレはここではまだ記載していませんが、何も知らず真っ白な状態から読みたい方はここからもう読まないようにしてください!
物語のキーとなるのは9枚の謎の絵。
登場人物と変な絵が複雑に絡み合い、最後には衝撃の結末につながっていく…。
不気味なブログ「七篠レン 心の日記」
21歳の大学生、佐々木修平はオカルトサークルの後輩:栗原にあるブログを紹介される。
なんでも、一見普通のブログではあるが不気味で何かがおかしいという。
いつもクールな栗原が熱弁したことに興味を惹かれ、佐々木は深夜そのブログを開く。
『七篠レン 心の日記』と題されたそのブログはある夫婦の日常を綴ったものだった。
最新記事の投稿は2012年11月28日、タイトル「一番愛する人へ」。
この記事を読むと「今日でこのブログの更新をやめる」「あの3枚の絵の秘密に気づいてしまった」「あなたが犯してしまった罪について」という、3つについて内容の記載があった。
この時点では七篠レンに何が起こったのかさっぱり分からないがブログはこの記事を最後に更新が途絶えている、確かに不気味だ。
この謎を解決するために佐々木は過去の更新記事を読み進めていくこととなる。
ちなみにこの七篠レンさんが書いたブログ、実際に下記より見ることができます。
もちろん本を読んだ方に対してよりリアリティを味わってもらういわば仕込みなわけですが、全部で146のブログ記事が掲載されており作り込みが半端ではないので、より物語に没入したい方は要チェックである。
レンとユキ、平和な夫婦の異変
過去のブログを読んで分かった内容は「更新者は七篠レンと名乗る人物」「レンの妻であるユキとの生活を綴った日記のようなブログ」「ユキは元イラストレーターで絵がうまい」ということだ。
ある日のブログではユキのお腹に赤ちゃんがいることが判明し、レンが喜びを綴っていた。
しかしこれを機にユキの様子が段々とおかしくなる、当初はレンもマタニティブルーであると考え彼女を支えていたみたいだが。
時間が少し経ってユキも元気を取り戻し、出産予定日までまもなくというところからユキはある絵を描き始めていた。
それが2009年9月4日〜8日まで、連続で投稿された5枚の絵。
絵は生まれてくる赤ちゃんやその赤ちゃんの未来予想図など、一見すると明るく前向きな内容に見える。
9月9日、明日が出産予定日という報告と共にブログの更新は一時ストップ。
その約1ヶ月後に再度ブログが更新され、赤ちゃんが無事に生まれたこと、そしてユキが出産時に亡くなったことが報告されていた。
3枚の絵の秘密とユキが犯した罪?
突然のショッキングな報告、そしてその次のブログ記事が最新記事として表示されていた「一番愛する人へ」と題した内容であった。
つまりユキが亡くなった報告を最後におよそ3年もの間ブログ更新をしていなかったのである。
ここである疑問が残る、レンが気付いた3枚の絵の秘密、そして「あなた」が犯してしまった罪とはなんなのか。
それについての記載はどこにもない。
ここまで出てきた絵は全部で5枚、とするとこのうち3枚に何か秘密が隠されているのだろうか?
「あなた」とは妻であるユキを指しているのか?
レンとユキを取り巻く環境が更なる謎を呼び事態は想像よりも深刻な状況となっていく。
そして物語はある事件へとつながっていき…あなたはこの変な絵の謎を解くことができますか?
変な絵のネタバレ感想とユキの罪
ここからは変な絵のネタバレ含む感想とユキの罪についての考察をまとめます。
変な絵の根幹部分、ユキの罪についてネタバレを大いに含みます!
まだ読まれていない方は、本編読了の上読み進めることをおすすめします。
ユキの罪とは、彼女はなぜ逃げなかったのか
七篠レンの日記にあった「あなたの犯してしまった罪について」という言葉。
「一番愛する人へ」というタイトルから最愛の妻であるユキに向けているものであり、よってこの「罪」を犯した人物はユキだろうということが予想できるのですが、読み進めるとどうやらそうではないということが明らかに。
結果としてユキは出産時に亡くなったわけですが、原因としてレンの母親である直美が助産師という立場をうまく利用し危険な出産へと誘導していったことが発覚します。
つまりユキが犯した罪の話ではなく、レンの母親である直美が犯した罪のことだったということがわかるわけです。
自らの母親から虐待を受けていた直美は過去にその母親を殺害しており、これがきっかけで彼女の精神はおかしくなっていました。
そして自分の愛する息子・レン(武司)を守るために、しつけが厳しかった夫(三浦)だけではなく、息子の子供を妊娠したユキにすら嫉妬し手をかけていきます、直美の狂った母性が大爆発してしまったんですね。
また、5つの絵を紐解いていく中でユキは自分が殺されることに気づいていたという描写があります。
事前に気づいていながらなぜ逃げることをしなかったのでしょうか?
この答えはどこにも書いておらず各読み手の想像するところでしかありませんが、血圧が高くなってしまったが故に出産中の脳出血で死に至ってしまうという一連の流れがまさか実現するとは、ユキ自身が予想するのは難しかったんだと思います。
直美が怪しいということに気付きつつも、お腹に子を宿しながらこんなにシビアなことを考えるのにもユキには限界があったのかもしれませんね。
ネタバレ感想
話の最初から最後までの伏線回収がお見事、あぁそこも繋がっているのね…と感心しつつ鳥肌立ちつつ読み進めることができました。
話は全4章に分かれており、それぞれキーとなる変な絵が登場していきます。
どれも不気味な絵で何か裏のありそうなものばかり、まぁ実際に裏はあるんですけど。
変な家に続いて変な絵、若干ホラーでミステリアスな物語だったのでゾクっとした感覚と共に、続きがとても気になって一気読みしてしまいました。
家の間取りよりも絵の方が独特な不気味さが感じられ、よりホラー感が増した気がします。
ただガチホラーではないので、真のホラー好きの方には少し物足りないかも。
小さいころからおばけが怖くてホラーが苦手な私でも読めたのでビビリさんも安心して読めるはずです。
内容や読みやすさを比較すると個人的には前作より本作の方が好きでした。
他のみんなはどう思ったかな?かな?
伏線回収もしっかりしていましたし、登場人物それぞれが丁寧に描かれていたので想像がしやすかったと感じます。
しかし丁寧に書かれていたが故に前作よりも文字は多め、まあ多めと言ってもそこまで読了に時間がかかるほどではありません。
雨穴さんの次回作はまだ発表されていませんが、3作目がすでに楽しみです!
変な絵ネタバレ考察が熱い
ここまでは変な絵のあらすじとネタバレ感想をまとめてまいりました。
本記事の内容をまとめるにあたり、本編を読んだ上でネットで公開されてる変な絵のネタバレ記事をたくさん読みましたが、驚いたのはその記事の多さです。記事を書いている方それぞれのネタバレ考察が存在し、似ているものもあればまったく別の考え方もありました。
これだけたくさんの方に考察されているということは、それだけ話題になった証拠でもありますよね。いかに雨穴さんが注目されているかが分かります。
まずはお手に取ってきちんと読んだ上で変な絵の面白さを味わってほしいのですが、いろいろな方のネタバレ考察を見るとより理解も深まり裏事情もみえてきたりするので、読んだ後でもより楽しめる作品だと改めて感じます。
変な絵ネタバレ感想とユキの罪まとめ
今回は変な絵に関するユキの罪の内容とネタバレ感想をまとめてみました。
いやはやまたも雨穴ワールド全開の作品でしたね、いくつかの変な絵によって徐々に浮かび上がる謎の答え。読み進めるごとにゾクゾク感が止まりません。
雨穴さんの作品は「変な家」「変な家2」の書評記事もありますのでぜひそちらもご覧になってみてくださいね。
絵とはまた違った独特な家の雰囲気とゾワっと感を味わいたい方、おすすめですよ!
本記事が少しでも皆様の参考になりましたら幸いでございます。
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