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変な絵/雨穴著「あらすじ・感想」

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今回は雨穴著「変な絵」をご紹介します。

2022年10月23日双葉社より刊行。

前作の「変な家」は、著者である雨穴さんのキャラクターも相待ってかなりの話題作となりました。

そんな話題を集めた方の第2作目です。

今回の変な絵にはどんな謎が隠されているのか。
ミステリアスな雨穴ワールドに、また入り込めるということでさっそく読了。

あらすじと感想をどうぞ。

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あらすじ

やりとりの中で出てくる9枚の絵。
人物や鍵となる変な絵が複雑に絡み合い、最後には衝撃の結末につながっていく…

不気味なブログ

21歳の大学生、佐々木修平はオカルトサークルの後輩である栗原にあるブログを紹介された。

なんでも一見普通のブログだが、不気味で何かがおかしいという。
いつもクールな栗原が熱弁したことに興味を惹かれ、佐々木は深夜そのブログを開いた。

『七篠レン 心の日記』と題されたそのブログは、ある夫婦の日常を綴ったものだった。

ブログタイトル下に最新記事が表示されている。
投稿は2012年11月28日、タイトル「一番愛する人へ」。

内容は「今日でこのブログの更新をやめること」、「あの3枚の絵の秘密に気づいてしまったこと」、「あなたが犯してしまった罪のこと」。

この記事を最後に更新は途絶えている…いかにも不気味だ。

なぜ更新をやめるのか?3枚の絵の秘密とは?犯してしまった罪とは?

もちろん佐々木には何を言っているのかさっぱりわからない。
そこで過去の更新記事を読むことに。

平和な夫婦の異変

過去のブログを読んで分かったのは更新者がレンと名乗る人物で、レンの妻であるユキとの生活を綴った日記のようなブログの内容、そしてユキは元イラストレーターで絵がうまいということ。

ある日のブログではユキのお腹に赤ちゃんがいることが判明し、レンは喜びを文字にしていた。

しかし、ここから彼女の様子がおかしくなっていく。
当初はレンもマタニティブルーであると考え、彼女を支えた。

少し経ってユキも元気を取り戻し、出産予定日までまもなくというところからユキはある絵を描き始める。

2009年9月4日〜8日まで、連続で投稿された5枚の絵。
生まれてくる赤ちゃんや、赤ちゃんの未来予想図など一見明るい内容に見えるが…。

9月9日、明日が出産予定日という報告と共にブログの更新はストップ。

その約1ヶ月後に再度ブログが更新され、赤ちゃんが無事に生まれたこと、そしてユキが出産時に亡くなったことが報告されていた。

解決しない謎の正体

突然のショッキングな報告。
その次のブログが、最新記事として表示されていた「一番愛する人へ」と題したものだった。

つまりユキが亡くなった報告を最後におよそ2年ブログ更新をせず、したかと思えばブログ更新終了を決断したということだ。

ここで残る疑問。
3枚の絵の秘密とは何か?あなたが犯してしまった罪とは?

ここまで出てきた絵は5枚。
とすると、このうち3枚に何か秘密が隠されているのか?「あなた」とはユキを指しているのか?

レンとユキを取り巻く環境が更なる謎を呼び、事態は思っているよりも深刻な状況となる。

そして物語はある事件へとつながっていく…

あなたはこの変な絵の謎を解くことができますか?

感想

話の最初から最後までの伏線回収がお見事でした。
あぁそこも繋がっているのね…と感心しつつ鳥肌立ちつつ読み進めることができましたね。

話は全4章に分かれており、それぞれキーとなる変な絵が登場します。

どれも不気味な絵で、何か裏のありそうなものばかり。
まぁ実際に裏があるんですが…

変な家に続いて変な絵。
引き続き若干ホラーでミステリアスな物語だったのでゾクっとした感覚と共に、続きがとても気になって一気読みしてしまいました。
※ガチなホラーではないので、ホラー好きの人には少し物足りないかも?

個人的には前作よりこっちの方が好きでした、とても面白い!
他のみんなはどうだろう?

伏線の回収もしっかりしていましたし、登場人物それぞれが丁寧に描かれていたので想像がしやすかったと感じます。

ただ丁寧に書かれたが故、前作よりも文字多め。
まあ多めと言ってもそこまで読了に時間がかかるほどでもありません。

家の間取りよりも絵の方が独特な不気味さが感じられ、よりホラー感が増した気がします。

ホラーな雰囲気やミステリー好きの方にオススメの一冊でした。

雨穴さんの次回作はまだ発表されていませんが、すでに楽しみです!

終わりに

今回は雨穴著「変な絵」をご紹介しました。

いやはや、またも雨穴ワールド前回の作品でしたね。
雨穴さんのYouTubeも気になってきたので、今度みてみようと思います。

変な家とあわせてぜひ読んでみてください。

本記事が少しでも皆様に楽しんでいただけたら幸いでございます。