成瀬は信じた道をいくのネタバレ感想まとめ！続編はあるの？

中学の時は閉店する西武に夏を捧げたり、高校に入ると同時に頭を坊主にして卒業までどれくらい髪の毛が伸びるか試したりと普通の人にはなかなか思い浮かばない発想の挑戦をしていましたが、その考えは大学生になっても健在。より実現できる具体的な方法を考えつつ行動にうつす成瀬の姿は前より更にパワーアップした印象を受けました。

観光大使がよく似合う

本作の表紙絵にもなっているように、成瀬は第4章「コンビーフはうまい」にてびわ湖大津観光大使の選考会へと参加し、見事観光大使の座を勝ち取っています。「コンビーフはうまい」とは、成瀬の自宅の電話番号の覚え方のこと。番号は5から始まっているそうですが具体的な電話番号は作品内では明かされず、あいうえお表の順番や文字の画数などを組み合わせたかなり無理のある語呂合わせになっているらしいです。うーん、想像もつかない。

話が逸れましたが大津観光大使の白い衣装を着た成瀬がとても印象的な表紙絵ですよね。この絵に興味を惹かれて本を手に取る人もいそうなくらいバッチリきまった成瀬が可愛い。こんな綺麗で知的でちょっと変わった観光大使がいる大津市の皆さんが羨ましい…。同じくもう一人の観光大使となった篠原かれんと大津の魅力を伝えていってくれることでしょう。

ちなみに観光大使になったことがきっかけで成瀬は篠原に教えてもらいながらInstagramのアカウントを作成していいました。もしや…？と思ってInstagramで「成瀬あかり」と検索してみましたが、残念ながら成瀬の公式アカウントは見つかりませんでした…。

行方不明になっても安心

第5章の「探さないでください」は大晦日の朝、突如として居なくなった成瀬が紙に書き置きしていった言葉。しかもスマホを置いてどこかへ行ってしまったものだから探しようがなく、これは事件のにおいがするぞ…と思いきや本気で心配しているのは父・成瀬慶彦だけでした。こんな奇行をしても、いつも通りといえばいつも通り。良い意味であまり心配されない成瀬はさすがです。

結果として夜まで成瀬は見つからず、東京から成瀬家に遊びに来ていた島崎と共に成瀬の両親が紅白歌合戦直前特番「けん玉ギネス記録」を見ていると、けん玉参加者130人の中になんと観光大使の白い衣装を身に纏った成瀬の姿が…。まさかここに出てくるとは…読んでいて想像がつきませんでした（笑）

そして出演の数時間後、23時59分に成瀬は帰宅。無事に島崎含む4人で年越しを迎えることができました。一方で「探さないでください」の書き置きをしたのは紅白歌合戦の関係者に当日まで自分が出演することを言ってはいけないと言われたから、スマホを置いていったのはGPSでNHKに行くことがバレてしまうからとのこと。

成瀬なりに徹底的に約束を守っていたんですね（笑）しかしGPSまで考えているとは、成瀬みが凄くてニヤニヤが止まりません。最後は成瀬と島崎が近くの馬場神社へ初詣に行き「これからもずっと成瀬を見ていられますように」と琵琶湖に向かって島崎が祈り物語は終幕します。成瀬＆篠崎の観光大使ペアもいいですが、やっぱり島崎とのゼゼカラコンビが今後もずっと一緒に居てくれるといいなあ。最初から最後までほのぼのと楽しめる、素晴らしい作品でした！