PR

「一次元の挿し木」ネタバレ含む感想まとめ!あらすじも簡単にまとめるよ

「一次元の挿し木」ネタバレ含む感想まとめ!あらすじも簡単にまとめるよ 文芸
記事内に広告を掲載しています。

本記事では一次元の挿し木のネタバレ含む感想を簡単なあらすじと共にまとめています。まだ読まれていな方は十分注意してくださいね!


松下龍之介著「一次元の挿し木」

あるとき本屋さんに行くと「一次元の挿し木」という本が目に止まりました。

どうやら巷で話題になっているようで、そこの本屋さんでも目立つところに陳列されていたんです。あと表紙絵がおしゃれだよね。

なんでもヒマラヤ山脈で発掘された200年前の人骨と、4年前に失踪した妹のDNAが一致したというお話の元、展開していくミステリー小説なんだとか!

いやいやそれ聞いただけでも絶対面白いじゃん、あたしゃ分かるよ…ということでさっそく読了。

簡単なあらすじとネタバレ含む感想を下記にまとめました。

話題の本を読みたいけど時間がない…
本屋さんに行くのがめんどくさい…。

そんな時はAmazon Audibleで聴く読書!

通勤や家事の隙間時間に本を楽しめちゃいますよ

気になったらまずは30日間の無料体験がおすすめ!

スポンサーリンク

一次元の挿し木の概要

2025年2月5日宝島社文庫より刊行。

「このミステリーがすごい!」大賞にて文庫グランプリを受賞した話題作です。

著者である松下龍之介さんは1991年東京都江戸川区生まれ。千葉工業大学大学院を卒業した後、2025年現在も国内外の火力発電所や製鉄所向けに高圧ポンプの設計・技術提案に関わるお仕事をしているという、小説家としては異色の経歴をお持ち。

数年前まで小説家になりたいとも思っていなかったそうで、海外留学の計画がコロナ禍で難しくなり、学費稼ぎの目的で小説を書き始めたんだそう。すげぇなおい。

本作は松下さんのデビュー作でもあるのですが、ここまでの作品に仕上げてくる新人作家なんているのかよ…というくらい完成度が高め。とにかく面白いと話題で、多方面から評価を得ているようです。

あらすじ

大学院で遺伝人類学を学んでいる七瀬 悠(ななせはるか)には血の繋がっていない妹・紫陽(しはる)がいた。

彼女は4年前に忽然と姿を消し、現在まで行方不明となっている。妹はまだ生きていると信じていた悠だが、義理の父親である七瀬 京一は4年という歳月を鑑み、悠が前に進めるようにと紫陽の葬儀を執り行う。

納得できない悠の元に、大学の研究室で世話になっている教授・石見崎 明彦からとある仕事の依頼があった。ヒマラヤで200年前に発掘された古人骨のDNA鑑定だ。

石見崎の研究室で活動を行っている悠にとってはいつもの仕事。問題なく解析を終え、結果を日本DNAデータバンクへ登録する。

ここには解析されたDNAが世界中から登録されており、解析したDNAと近しい特徴を持った検体を見つけることができる。古人骨の解析には欠かせないデータだ。

だがデータバンクには、今回解析したDNAと100%一致する解析結果がすでに登録されていた。100%の一致、つまりそれは解析された検体の人物が一致していることを意味する。

データベースへすでに登録されていたデータは去年の4月、この研究室で解析されたものだった。検体ナンバーは「T458」。その番号を見た悠の全身に悪寒が走る。

200年前の人骨は、過去に登録した紫陽のDNA解析と一致していたのだった。

一次元の挿し木の感想

ここからは一次元の挿し木を読んだネタバレ含む感想をまとめていきます。まだ読まれていない方は十分ご注意を!

話のテンポが良く読みやすい

まず作品自体がとても面白いのは大前提として、一次元の挿し木は話のテンポがとても良くて大変読みやすい印象でした。

小説を読んでいると前半に起こった小さな事柄に対し、後半に答えが出てきても「あれ、そもそもこれってなんで起こったんだっけ…?」みたいな、私の覚えが悪いのもあるんですが遡って思い出さないと頭の中で話が繋がらないことが結構あったり。

対して本作はボリュームの割に話がサクサク進んでいきます。主人公の七瀬 悠の登場、紫陽との関係性、京一や石見崎の存在なども長くは語られずあっという間に理解できる。

しかも登場人物もさほど多く無いのがまた良い!適度に登場人物が何かしらの理由でフェードアウト(牛尾によって消されるのがほとんどですが…)するので人物像をあまり覚えてなくてもさほど問題なし。

登場人物が多い作品に少し苦手意識のある私からすればとっても読みやすく、その分いま出てきている人物に対して感情移入もしやすい…。

理解のしやすさ&話のテンポの良さなどから、小説を読んでいるにも関わらずまるで映画を見ているような感覚でした。

デビュー作から完成度が高すぎる!

前述した通り、一次元の挿し木は松下龍之介さんのデビュー作。しかしデビュー作だからといって侮ることなかれ、その完成度たるやベテラン作家と遜色がないように感じます。

お話の長さや背景の描き方、伏線回収がとにかくお見事!冒頭から結末まで、綺麗な形をしたミステリー小説って感じ。

もう少し登場人物たちを詳しく書いても良いような気もしたけど、これ以上書くと間延びするような…本当に絶妙なラインです。

ちなみに登場人物で言うと個人的には「唯」が好きでした。しっかりしているように見えてどこかあどけなさを感じ、だけど実は物凄い秘密があるミステリアスなキャラクター。うーん大好物だ。

こんなデビュー作が発表されたら次回作を期待せざるを得ませんよね。一体次はどんな作品を私たちに届けてくれるのだろう、うずうず。

まさかの結末に驚き!?

最後に本作の結末についての感想を。いろいろ感じることはありましたが、とにかく驚きと面白いが順々に押し寄せてくるというのは間違いございません。

悠は最後まで紫陽が生きていることを信じていました。話の途中では紫陽がそもそも存在しない人間として、悠が妄想の中で作りあげた人物だと語られます。

確かに悠は紫陽が行方不明になってから精神的におかしくなっており、投薬もしている。で、あればすべて思い込みの世界であったと言うオチかと思いきや…ここからの展開がすごい。

石見崎と京一はミノタウロスのような男・牛尾に殺され、唯だと思っていた人物が実は真理で、本物の唯は既に死亡しており、身動きが取れないくらい衰弱していた真理と思われる人物がずっと探していた紫陽だった、ということが徐々に明かされていきます。

最後は悠、唯(真理)、紫陽の3人が牛尾に追い詰められますが、絶体絶命だった悠のそばに一人の少女が木の柄の短刀を投げ、それを使ったお陰で悠は牛尾を倒すことができました。

そしてここからもさらにどんでん返し。この少女が実は紫陽で、過去に京一から投与されていた薬によって体が動くようになっていましたが、ずっと人形の振りを続けていたんだと…。

その理由は「樹木の会」の新しい指導者になるため。この大いなる目的のために生み出された紫陽は、悠と唯(真理)が平和な日常を過ごすために自ら厳しい決断を下していたのでした。

もう最後は伏線回収のラッシュですね、ラッシュ。怒涛の流れで真実が明かされていき、衝撃が凄すぎて読むスピードがおっつかないくらい。

感想を書いている今も興奮を思い出します、とにかく終盤の流れがお見事。改めてもう一度読みたいと強く思ってしまうくらい、とってもとても素晴らしい作品でした。

一次元の挿し木のあらすじと感想まとめ

今回は一次元の挿し木のネタバレ含む感想を簡単なあらすじと共にまとめてみました。

読み進めるごとにその先が気になって一気読み必須の素晴らしい作品でした!とにかく面白い!その一言に尽きますね。

デビュー作にしてここまでの作品を送り出してくるとは…著者の松下さんの今後の作品にも注目していきたいです。

本記事が少しでも多くの方の参考となりましたら幸いです。

面白い本がたくさんあるのにもったいない

文学賞受賞作や自己啓発本などが盛り沢山
Amazon Audibleはいつでもどこでも本を楽しめる!

30日間の無料体験で聴く読書をぜひお試しください!

タイトルとURLをコピーしました