今回は小川哲著「君のクイズ」をご紹介いたします!
2022年10月7日朝日新聞出版より刊行。
あるクイズ番組で起こった出来事を題材としたミステリー小説。
また2023/4/20に放送されたアメトーク「本屋で読書芸人」にて、お笑いコンビAマッソの加納さんがオススメしていた一冊でもあります。
さらに本書は2023年本屋大賞にもノミネートされており、作家の伊坂幸太郎さんや元テレビ東京プロデューサーの佐久間宣行さんなど、名だたる著名人も面白い!!と大絶賛。
▼伊坂幸太郎さんの作品はこちら
周りからの評価がとにかく高い印象で、読まずにはいられない!
ということでアメトーク放送後すぐに書店で購入いたしました。
すでに読む前から面白いんだろうなぁと想像がつきますが、いかんせん小川哲さんの作品を見るのは初めて。
自分に合う作家さんだと良いなぁと期待を寄せつつ、さっそく読了。
クイズ主体のミステリー、果たしてどんな仕上がりになっているのでしょうか。
以下、あらすじと感想をまとめましたので読もうか迷っている方はぜひ参考にどうぞ!!
あらすじ
タイトルに「クイズ」という言葉があるように、これはとあるクイズ番組から始まるお話。
クイズを主体としたお話というのも他にあまりなく、なかなか面白いポイントですよね!
それでは簡単に内容をまとめます。
Q-1グランプリ決勝戦
主人公、三島玲央はクイズ番組である第一回Q-1グランプリのファイナリストとして六本木のスタジオの解答席にいた。
七問先取の早押しクイズ、三島はすでに六問正解しており優勝に王手。
対戦相手である本庄絆は未だ五問正解。
優勝者に贈られる賞金はなんと一千万円、手にしたことがないほどの大金だ。
今日は頭がよく回転している…イケる。
優勝への手応えを感じながら、三島は全神経を集中させる。
さっそく次の問題が読み上げられるが、すかさずボタンを押したのは本庄絆。
完璧な早押し、こちらは油断など一切していない。
彼が自信をもって大きな声で回答すると、「ピンポン」という正解音とともに観客の拍手につつまれる。
正解数は六対六。
泣いても笑っても次が最終問題。
問題ごとにコメントを聞いていたMCも最終問題の前はそれをせず、次の問題への合図をアナウンサーへと送った。
スタジオの空気も張り詰め、いよいよ最終問題が読み上げられようとしている。
ママ.クリーニング小野寺よ
アナウンサーが息を吸って言う。
「問題ー」
来る…一千万円の価値がある最終問題がとうとう読み上げられようとしたそのとき。
パァン!
…何が起こった?
見ると本庄絆のボタンが点灯している。
まだ問題は読み上げられていない、完全にタイミングを見誤ったんだ。
緊張でやってしまったのだな…本庄に同情する三島。
本庄はこのときすでに二回誤答している。
三回の誤答で失格となるルールなので、これで三島の勝ちは決定。
「問題が読まれていないクイズに正解する」ということは、この世界を構成するすべての事物、つまり無限通りの中からたった一つの正解を導き出さなければならない。
いくら優秀なクイズプレイヤーだとしてもそんなことは不可能。
望んだ形ではないものの、一千万円が自分のものになったことを確信している三島を横に本庄絆は回答を口にする。
「ママ.クリーニング小野寺よ」
なにを言ってるんだ…緊張で頭がおかしくなったのか?
横の本庄絆を見ると、無表情で落ち着いたまま前を見つめている。
もしかして…いやまさか。
あり得ない優勝
MC、アナウンサー、スタッフに観客までスタジオ全体がどよめいている。
「ママ.クリーニング小野寺よ」
本庄絆がもう一度そうつぶやく。
すると「ピンポン」と正解を示す音がなった。
三島は事態を把握できていない、優勝したのは自分ではなく本庄絆。
あり得ない…最強の運の持ち主なのか、ヤラセか?
様々な憶測が三島の頭を過ぎる。
彼はなぜ問題が読まれる前に正解できたのか?
番組の収録が終わった後も真相は明かされず、渋々帰宅した三島。
この謎、クイズを解きたい。
真相を解明するため本庄絆について調べ上げた三島は、果たしてこのクイズの正解を導き出せるのか?
感想
さっそく読了した感想をまとめてみよう。
この本はクイズ番組を主体にしたミステリーということで、他にはない設定であるところが注目ポイントでもある。
登場人物の三島玲央や本庄絆などのクイズプレイヤーが、どういった心情でクイズに向き合っているのか、事細かに描かれているので文字だけでも場面が想像しやすい。
普段テレビではクイズ番組をあまり見ない私だが、これがクイズのリアルなのか…と少しクイズとはなんたるか勉強することができた。(気がする)
また、物語の冒頭から話の流れがすでに面白い。
問題の読まれていないクイズに正解するあり得ない展開。
通常なら不可能だと思えるが、その理由が徐々に解き明かされていくその様は読書スピードをさらに加速させた。
ラストではもちろんその理由も明かされるわけだが、その結末を知った時に改めてこの一冊が一問のクイズになっているんだということに気付かされた。
クイズが出題されるときの音が頭の中で鳴る、デデン!
問題「本庄絆はなぜ読まれていないクイズに正解することができたのか?」
その答えはこの本を読み終えた時に分かる。
多くの人が面白い!というのが理解できたし、本屋大賞にノミネートされた理由もわかる。
作品自体がかなりリアルなので読書が苦手という人でもスラスラ読み進めることができるはず。
あなたも一度読み始めたら一気見しちゃうかもね。
ぜひとも本屋さんで特徴的な赤青表紙を見かけた際は、お手に取ってみてください!
終わりに
今回は小川哲著「君のクイズ」をご紹介致しました。
謎解き、ミステリーが大好きなそこのあなたはぜひ「君のクイズ」を解き明かしてみてくださいね。
このほかにも様々な書籍を紹介しています。
素晴らしい作品がたくさんあるので良ければ読んでみてね。
本記事が少しでも多くの方の参考になりましたら幸いでございまする。