スタジオジブリの名作「天空の城ラピュタ」、その中でも異質な輝きを放っているのが悪役のムスカ大佐です。
主人公であるパズーとシータの前に立ちはだかり、時にはラピュタの力を使って残虐な行為を行う彼ですが、特にSNSではめちゃくちゃ人気キャラクターなんです。
それもこれもムスカ大佐のフルネームである「ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ」に始まり、様々なネタ要素が相まって注目を集めたのでしょう。
そして今回話題に上がっていたのが、このムスカ大佐と機動戦士ガンダムに出てくるキャラクターのシャアが同じ声優なのではないか?ということ。
確かに声色は似ているように感じますが、本当に同じ声優なのでしょうか?
詳しく見ていきましょう!
ムスカとシャアの声優は別々
ムスカ大佐とシャア・アズナブルことシャアの声優さんについてですが、それぞれ別々の方が演じられています。
まずムスカ役の声優さんは俳優の寺田 豊(てらだ みのり)さんです。
映画やドラマなど俳優業の他、ムスカ役など声優としても幅広く活動されていましたが残念ながら2024年3月にお亡くなりになりました。
私は寺田さんといえば仮面ライダーWの園咲 琉兵衛役がとても印象に残っています…。
悪のボス的な立ち位置の役柄で寺田さんの雰囲気にもぴったりマッチしており、まさに適役だなぁと感じながら拝見させていただいておりました。
本当に惜しい方を亡くしたと思いますが、これからもムスカを始めとした多くの寺田さんの演じたキャラクターが視聴者を楽しませてくれることでしょう!
続いてシャア・アズナブル役の声優さんですがこちらは池田 秀一(いけだ しゅういち)さんです。
声優ファンなら誰もが知っている、声優界の重鎮のひとりと言えるお方。
数々の名キャラクターに声をあてており、声優としてのキャリアは50年以上にも及ぶ大ベテランです。
とても渋くてかっこいい声が印象的で、シャアのようなライバルキャラクターから主人公の憧れの存在となる役など、アニメではかなり目立つ位置の役柄を演じています。
その中でもやはり池田さんの代名詞とも言えるのが機動戦士ガンダムで主人公のアムロ・レイの永遠のライバル、シャア・アズナブルです。
アムロが乗るガンダムと、シャア専用〇〇と呼ばれるキャラクターオリジナルのモビルスーツに乗って激闘を繰り広げます。
またシャアの二つ名である「赤い彗星」はインパクト抜群、通常のザクの3倍のスピードで移動するシャア専用ザクは驚異的な存在でしたね。
ちなみに池田さんは機動戦士ガンダムのオーディションに参加した際、初めは主人公アムロ役で受けていたそうです。
池田さんバージョンのアムロもちょっと聴いてみたい…。(笑)
ムスカ役の寺田豊さんがこれまで演じたキャラ
- 天空の城ラピュタ ー ムスカ大佐
- 燃える仏像人間 ー 円汁
- ブルーサーマル ー 青凪大学航空部監督
- クラメルカガリ ー 朽縄
寺田さんの声質的に悪役やおじいちゃんキャラを演じる機会が多いようですね。
声がとても聞き取りやすく安心感もある、加えて俳優業もされているので演技力も声優を本業としている方々に引けをとりません。
ムスカ大佐以外はメインどころというわけではないようですが、それでもどこかにいてくれれば作品が引き締まるような、存在感のある演者であったことは間違いないでしょう。
所謂、名バイプレイヤーというやつですね。
名作と呼ばれる作品はお話の流れやメインキャストの存在感ももちろん大事ですが、必ずと言って良いほどそれを引き立てる脇役が存在しています。
決して真ん中に立つことはない、だけど存在感があって作品を支える柱になる。
寺田さんの存在も多くの作品に影響を与えていたんでしょうね!
ムスカ至極の名言
見ろ!人がゴミのようだ!
「天空の城ラピュタ」監督:宮崎駿(1986/8/2 公開) より引用
ムスカ大佐がラピュタ王としての権威をこれでもかと乱用するシーンで発せられたこのセリフ。
巨大な空中戦艦「ゴリアテ」から多くの兵士達が落ちていくのを見て放ったこのセリフは、まさに悪役であるムスカ大佐を象徴するセリフとなっています。
人をゴミと表現する彼の残忍さがかなり際立っていますね…。
物語の前半では紳士的な立ち居振る舞いをしており、一見良い人のようにも思えましたが化けの皮を剥がすととんでもない男だったのが分かります。
最後には天罰が下るような結末とセットで時にはネタ扱いもされてしまうムスカ大佐。
このキャラクターを最大限に引き立てたのも、声優を担当した寺田 豊さんの功績が大きいでしょうね。
シャア・アズナブル役の池田秀一さんがこれまで演じたキャラ
- 機動戦士ガンダム ー シャア・アズナブル
- 名探偵コナン ー 赤井秀一
- ONE PIECE ー シャンクス
- 機動戦士ガンダムUC RE:0096 ー フル・フロンタル
並びを見ても明らかに強い…!
代表的なキャラクターを上げるとそのどれもがメインキャラクターであり、ラスボス級の最強キャラであることが多い印象です。
個人的に好きなのはONE PIECEで演じている赤髪のシャンクスでしょうか。
主人公であるルフィが海賊を目指すきっかけとなった大海賊、作中で数多いる海賊の中でも最強の呼び名が高い人気キャラクターです。
自身の持つ「覇気」を出すだけで半端な覚悟を持っている者は意識すら保てない存在。
まさに声に「覇気」を持つ池田 秀一さんにぴったりのキャラクターと言えるでしょう。
シャア・アズナブル至極の名言
見せてもらおうか、連邦軍のモビルスーツの性能とやらを
「機動戦士ガンダム」原作・監督:富野喜幸(1979 – 1980年放送) 第2話 より引用
初代ガンダム、所謂ファーストガンダムのアニメ2話にて、シャア専用ザクという赤いモビルスーツに乗って連邦軍に迫る際に放ったセリフです。
ガンダムを知らない人が見ていても、明らかにヤバそうな敵が出てきた雰囲気がぷんぷんします。
「見せてもらおうか」の意味通り、これまで潜り抜けてきた死戦の数々がシャアの自信となって現れているこのセリフは、連邦軍だけでなく視聴者すらも恐れを成したことでしょう。
通常の3倍のスピードで迫る赤い彗星、少年だけでなく大人の心ですらくすぐってくる要素しかありませんね。
主人公のアムロ・レイとは物語の最初から最後までずっと戦い続け、ファーストガンダムが終わった後もその因縁は終わらず、永遠のライバルとして今もなお語り継がれています。
ムスカとシャアの声色は似ている?
そもそもなぜムスカ大佐とシャアの声優は一緒かもしれないという話題が上がっていたのでしょうか?
一番の要因としては寺田 豊さんと池田 秀一さんの声質が似ていることが考えられます。
双方の声を聴き比べてみると確かに似ている感じがありますね。
渋さもありながら低音過ぎずにスマートでとても耳に入ってきやすい声、こんな素敵な声を出せる声優さんも限られてくるので勘違いをした方が多いのかもしれません。
逆に役柄によっては本当に同じ声優さんでも別の方が演じていると勘違いする場合もあります。
動きや表情を見せずに声だけで変化を付ける、プロの声優さんは視聴者を騙すくらい声の扱いに長けているんです。
なのでたまたまムスカとシャアの立ち位置や話し方の雰囲気が似ていたということもあるのでしょう。
寺田さんと池田さんがそれぞれ演じた別のキャラを比較していれば同じ声優なのかも?とはならなかったかもしれませんね。
また、この他にキャラクターの共通点があったことも要因として考えられそうです。
2つのキャラの共通点
ムスカ大佐とシャアの共通点、それは主人公の一番の敵となる存在という点です。
というかもはやラスボスと言って差し支えないでしょう。
ムスカは大佐はパズーとシータの前に現れては悪事を働かせ、物語の根幹となる「ラピュタ」の王として最後まで2人を苦しめる存在です。
一方でシャアはアムロ最大の敵でありライバルとして、数々の激闘を繰り広げ最後はガンダムと相打ちになるほどでした。
双方共に物語の中では欠かせない存在であり、彼ら無くしてここまで作品も人気に火は付かなかったでしょう。
この色濃いキャラクターによって視聴者にも強い印象を与えたため、声質が似ている+主人公を苦しめた最大の敵という共通点から声優も一緒というイメージが付いたのかもしれませんね。
ムスカとシャアの声優は違う!まとめ
本記事ではムスカ大佐とシャア・アズナブルの声優の違いをそれぞれ解説してきました。
寺田 豊さんと池田 秀一さん、演じているキャラの雰囲気は似ていれど、おふたりとも個性ある素敵な声をお持ちで多くのファンが付いています。
キャラクターによって全然雰囲気が変わったものになっているので、ムスカやシャア以外にもおふたりが演じたキャラの声を聴き比べてみるのも面白そうですね。
多くの人に注目される声のお仕事。
アニメキャラクターだけではなく、ぜひ演じた声優さんにも目を向けて活動を応援していきましょう!
本記事が少しでも多くの方の参考となりましたら幸いです。