本記事は「楽園の楽園」のあらすじと感想を簡単にまとめています。ネタバレは含んでおりませんのでまだ読まれていな方もぜひご覧ください。
伊坂幸太郎「楽園の楽園」
黒と緑の美しい表紙絵が目を引く本作、どうやらかの有名な西遊記をモチーフにしたお話らしいけど伊坂さんにしてはちょっと珍しいテイストでしょうか。
これまでの伊坂作品はフィクションであるもののどこか現実を感じさせるものが多かったんですが、さすがに西遊記がモチーフとなればフィクション要素強めになりそう?
伊坂幸太郎さん作品のレビュー記事一覧はこちらからどうぞ。
気になっていても仕方ない!ということでさっそく読了しました。
あらすじと感想をまとめてみたいと思います。
話題の本を読みたいけど時間がない…。
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「楽園の楽園」概要
2025年1月22日中央公論新社より刊行、著者である伊坂幸太郎さんのデビュー25周年を記念して書き下ろされた短編小説。
伊坂さんがデビューしてから25年も経つのですね…。
有名小説家として長年大活躍していますがファンとして改めて感慨深い想いが勝手に湧き上がってしまいますよ、うるうる。
これからも伊坂作品を心待ちにしておりますので、どうか無理なく健康なまま書き続けていただけると嬉しいです伊坂さーん聞こえてますかー!
登場人物
「楽園の楽園」に登場する主な人物は以下の通りです。
- 五十九彦:宮城県仙台市育ち。運動能力が高く驚異的なの免疫力の持ち主。
- 三瑚嬢:一般家庭の三女。頭が良く、学校では飛び級に次ぐ飛び級を重ねた。
- 蝶八隗:人間の三大欲求にしか興味がなく、的外れな意見が多い。
- 先生:人工知能「天軸」を開発した謎の人物。
名前を見てお分かりのとおり、それぞれ西遊記の登場人物とリンクしているようです。
五十九彦=孫悟空、三瑚嬢=沙悟浄、蝶八隗=猪八戒、先生=三蔵法師ってことなんでしょうね。
あらすじ
各国都市部の大規模停電、強毒性ウィルスの蔓延、地震の頻発、放射能漏れ、航空機の墜落。
数年前、世界の各地で様々な問題が起こり、世の中は混乱に陥った。
原因は正体不明の人工知能「天軸」の暴走だと考えられたが、肝心の位置情報が不明でどこにあるかが分からない。
唯一の手掛かりは開発者が描いた巨大な樹の風景画「楽園」のみである。
天軸はきっと「楽園」にあると考えた人々は、その画の風景を世界各地の航空写真や衛星写真と照らし合わせるが、一致する場所はなかなか見つからない。
「楽園」は天軸開発者による想像の世界なのではないかと思われた矢先、同時期に偶然発生した輸送機墜落事故により自動撮影された周辺画像が「楽園」と酷似していたのだった。
輸送機が送信した位置情報を頼りに捜索のため召集された五十九彦、三瑚嬢、蝶八隗の選ばれし三人は、天軸を目指して壮大で不思議な旅に出る。
「楽園の楽園」感想
ここからは「楽園の楽園」を読んだ感想をまとめています。
結末に触れることはありませんが、少しでも内容を知りたくない方はご注意くださいね!
不思議な西遊記
本作を一言で表すならば「現代に落とし込んだっぽい不思議な世界の西遊記」って感じ。(一言になってる?)
前述した通り、登場人物は西遊記とリンクしていますが全てがまるっとモチーフにされているわけでもなく、伊坂さんの頭の中で組み立てられた、いわば「新釈」と捉えられるお話です。
いやでもまさか天竺を人工知能・天軸に置き換えるあたり、伊坂さんの発想力には驚かされますね。
世の中には昔のお話を新釈して書き換えた作品がたくさんありますけども、その中でもよくできた作品のひとつに入ると思いました。
現代なんだけどそうじゃない、西遊記なんだけどそうじゃない、とにかく言葉で表せない面白さがあるのでそこはぜひ読んで感じて欲しいところ。
ちなみに西遊記を知っていても知らなくても、どちらでも楽しめるのでぜひ安心して読み進めてみてください。
お話が短いのでとても読みやすい
読書初心者にとっては分厚い本を手に取ることすら勇気のいる行為ですが、本作は挿絵を含む100ページほどの量なのでゆっくり読んでも1〜2時間程度で読み終えることができます。
私自信、読書スピードが遅いことで巷では有名(?)なんですが、およそ1時間くらいで読了することができました。
しかし逆に読書好きからするとボリュームが少なくてちょっと物足りない可能性も?
だけどお話の着地点もしっかりしていたし、変にお話を引き伸ばしてもおかしな感じになってしまうような気もするのでこの文章量がベストだと感じますよわたしゃ。
お話自体もそこまで難しい展開は起きないので、サクッと読み終えてパッと理解できるところから学生の読書感想文にもぴったりな予感がするぞ。
お馴染み「仙台」要素も出てくる
伊坂作品といえば、伊坂さんが宮城県仙台市在住ということで同地を舞台にした作品が多く世に出ており、また舞台でなくとも作品内のどこかに仙台要素を入れるような遊び心が垣間見えたりするのも特徴のひとつ。
だけどさすがに今回は西遊記をベースとしたお話なので仙台要素は厳しいか…と思いきや、まさかの主人公・五十九彦は仙台育ち!
個人的にこれまでの伊坂作品とは少しだけ雰囲気の違いを感じた本作ですが、「仙台」という文字が出てきたおかげでふいに伊坂作品の風を感じることができたような気がします。
これから発表されていく伊坂作品にも意外なところに宮城や仙台要素が散りばめられているかも知れませんね、ふふふ。
ぜひこうしたお馴染みポイントにも注目しながら、「楽園の楽園」を心ゆくまでお楽しみください!
「楽園の楽園」あらすじと感想まとめ
今回は「楽園の楽園」のあらすじと感想をネタバレなしで簡単にまとめてみました。
内容もさることながら表紙絵や挿絵の美しさも素晴らしく、読了後はお部屋に飾りたくなってしまう。
ある意味で伊坂さんらしくないというか、これまでにない伊坂作品として新しい風を感じることができたような気がしますね!
この他にも伊坂作品のレビュー記事を書いていますのでぜひご覧あれ。
伊坂幸太郎さん作品のレビュー記事一覧はこちらからどうぞ。
本記事が少しでも多くの方の参考となりましたら幸いです。
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