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仙台ぐらし/伊坂幸太郎著「内容・感想」

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今回は伊坂幸太郎著「仙台ぐらし」をご紹介します。

多くの作品に宮城県の県庁所在地である「仙台」という地名が登場する伊坂幸太郎作品。

伊坂さんの出身は千葉県松戸市であるものの、母校である東北大学が仙台にあり、かつ現在も仙台在住ということで仙台は伊坂幸太郎ゆかりの地と言って遜色ないでしょう…!
※ちなみに私自身も仙台出身であるため、勝手に親近感が湧いています。

タイトルにある通り、仙台ぐらしということで伊坂さん自身が仙台の観光地とか名産とか紹介する本なのかなぁ?と思っていたんですがそうではありませんでした!(笑)

さっそく内容と感想を下記にまとめております。

ぜひ参考にどうぞ!

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内容

本作品は仙台にある出版社、荒蝦夷の雑誌「仙台学」に掲載されていた伊坂さんの連載を中心として、2005年から2015年までに書かれたものをまとめたエッセイ集。

「タクシーが多い」「見知らぬ知人が多い」など仙台あるある(?)が書いていたり、心配性の著者の周りで起こった出来事がおもしろおかしく書かれていたり、決して観光ガイドブックではないということをここできちんと説明しておきたい(笑)

また、このエッセイが書かれている最中に起こった東日本大震災についても著者の当時の状況や心境を描いている。

震災を通して出会った人々をモデルとした短編小説「ブックモービル」も収録されており、一度仙台に足を運びたくなるような、そんな内容となっています。

感想

仙台ぐらし。

何を隠そう私自身も仙台出身であり、この書籍を購入したのは仙台のど真ん中である一番町の書店であり、この感想も仙台で書いている。

本屋でこの書籍を発見したとき、「お、仙台の観光ブック的な内容かな?」と思って購入したのですがその考えは完全に間違いでした!(笑)

仙台という街に関することというよりは、仙台に住んでいる人々やそこで起こったことを中心に描かれているので、本書を読んでも仙台に詳しくなることはあまりできません…

そう言った意味では期待外れでしたが、これは全然違う期待をしていた自分が悪いので本書の内容が良くないとかそういったことではございません、悪しからず!

ただ、仙台人としていくつか共感することはあり。

内容の通りたしかに仙台は無駄にタクシーが多い。

仙台駅前には毎日数え切れないほどのタクシーがいます、本当です。

東京とか大都市に比べたらそんなに人がいるわけではないのに、なんであんなにタクシーが多いんだ?とは私自身も感じていたので、本書のおかげでそれが解決するに至りました。(笑)

「見知らぬ知人が多すぎる」という題目については私自身はほとんどいないので…
これは恐らく伊坂さんが醸し出す話しかけやすい雰囲気とかによるものだとは思いますが…

ただ現役仙台人からすると読んでいて「あるある…」「たしかにそうだわ…」と思う部分は多々あり、仙台に住んでいるもしくは住んでいた人はより楽しめる内容になっています。

そして何より仙台、東北と切っても切り離せないのが2011年3月11日14時46分に起こった東日本大震災です。

本書にて著者である伊坂さんは、この本を震災の本としてひとくくりにはしたくないとおっしゃっています。

震災を実際に経験し、小説家という特殊な仕事をする伊坂さんならではの苦悩や葛藤を伺うことができました。

多くの人の生活を、命を奪った震災。
仙台や他の地域もほとんど震災前に戻り、今では当時の面影も少なくなりました。

震災を忘れるくらい復興が進んだと捉えればとても良いことなのかもしれませんが、決して忘れてはいけない出来事でもあります。

亡くなった人たちの想いも忘れずに、後世に伝えていくのが私たちの役目だと改めて感じます。

色々な側面から仙台を考えることができる、とても素晴らしいエッセイ集でした!

終わりに

今回は伊坂幸太郎著「仙台ぐらし」をご紹介しました。

夏はそこまで暑くもなく、かといって冬もそんなに寒くない。
住みやすい街、仙台。

近年では東北のニューヨークだなんて言葉も一時期流行りました。
私はそうは思いませんが。(笑)

みなさんの仙台のイメージがどんなものですか?

気になった方はぜひ本書を一度お読みいただくとともに、もし旅行に機会があれば仙台、宮城を候補の一つにしてみて下さい。(笑)

本記事が少しでも皆様の参考になれば幸いです。