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「汝、星のごとく」のあらすじとネタバレ感想。櫂が書いた最後の作品

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本記事は「汝、星のごとく」のあらすじとネタバレ含む感想をまとめています。あらすじについては短時間で読めるよう序盤の内容までを記載しています。


凪良ゆう著「汝、星のごとく」

こちらの作品は全国の書店員さんたちが選んだ2023年本屋大賞の受賞作品です。何かと話題の本屋大賞、昨今ではテレビでも取り上げられるようになりかなりメジャーになってきていますよね。

本作については「涙なしでは読めない!」という噂を予々聞いておりました、果たしてどんな内容なのか期待しながら読了です。

結論を言うとボロ泣きでした、たしかに涙脆いほうではあるんだけどそんなに泣くか?ってくらい泣けます(笑)2人の高校生を主軸としたストーリーには喜怒哀楽の様々な感情が詰まっており、涙なしでは見れませんでした…、いや本にこんな泣かされるとは思っても見なかった、冗談だと思ったら一度読んでみることをおすすめします。まじで。

汝、星のごとくはAudibeleで聴くことも可能です。
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汝、星のごとくの作品概要

はじめに作品概要を記載していきます、本屋大賞意外にもいろんな賞をとっている名作みたいです!

作品概要

2022年8月講談社より刊行。2023年の第20回本屋大賞受賞をはじめ、第168回直木賞候補作、2022王様のブランチBOOK大賞、キノベス!2023 第1位獲得など、数多くの賞を受賞、ノミネート、ランクインしているとっても凄い作品です。

ちなみに著者の凪良ゆうさんは第17回本屋大賞も「流浪の月」で受賞されており、わずか3年の間に2度も受賞するのは本屋大賞が始まって以来の快挙とのこと、すごいね!

本書は小さな田舎の島で過ごす井上暁海と青埜櫂の成長の様子を、高校生から大人になったその先まで描いていく恋愛物語。何回も言うけど泣けますほんとに…。とにかく感動したい方、泣いてストレスを発散したい方、その願いが叶いますのでいますぐに読んでください…!

汝、星のごとくのあらすじ

続いて汝、星のごとくのあらすじを序盤まで簡単にまとめていきます。あらすじまではネタバレを含んでおりませんが何も知らずに読みたい方はこれ以上読まないようにしてください。

毒親を持つ子供たち

京都から自然豊かな瀬戸内の島へと引っ越してきた青埜櫂(あおのかい)、母子家庭で父親は自分が生まれてすぐに胃がんで死んでいる。育ててくれた母親は男なしでは生きられない性格で、今回は京都で知り合った男を追ってこの島へとやってきた。

そんな櫂と同じ学年の井上暁海(いのうえあきみ)は、父親と母親がほぼ別居状態。父親が新しい恋人として選んだのは、東京から島へやってきた裁縫の先生らしい。自分と母親、それどころか島中の人たちがそれを知っている。どんな秘密でも田舎の島では筒抜けになる、ここで生きるのはそうものだということを、暁海自身は理解していた。

17歳の春にふたりは出会い、お互いに癖のある親を持っている共通点からか徐々に距離が縮まっていく。

夢を語り合うふたり

櫂は漫画家になるために相方の尚人、担当編集者の植木さんと夢に向かって突き進んでいた。一方の暁海もオートクチュール刺繍がやりたいという目標を持つが、それは自分の父親の恋人である瞳子さんがやっている仕事でもあるため、母親には言えないままでいた。

そこで櫂はその母親にバレないよう、櫂の家で刺繍をすればいいと暁海に提案する。ようやくやりたいことができる環境ができ、喜ぶ暁海。話を終えて、櫂の家までふたりで帰るとなにやら櫂の母親の様子がおかしい。わざわざ島までついてきた男に奥さんと子供がいるらしいということが発覚し、泣きじゃくっていたのだった。

騒ぎの最中、偶然通りかかった学校の北原先生がなんとかその場を収めてくれた。「困ったことがあれば、ここに連絡をください」。電話番号を書いたメモをテーブルに置くと、北原先生はさっさと帰っていく。立派な夢を持つ若者は、だらしのない親のせいで真っ直ぐ前に進むことができない。

暁海と櫂の恋の行末は

当然のことながらふたりは付き合うことになるが、それもあっというまに噂が広がる。密かに女の子から人気のあった櫂と付き合ったということもあり、嫌な噂も流れた。これについて暁海は母親にも怒られてしまう。「よその家の旦那に手を出した女」の息子と付き合っている、という個人的な感情が潜んでいるようだった。

自分たちは何一つ悪いことをしていない。悪い噂はすべて当の本人以外がやった行為やイメージで作り上げられていった。やがて櫂は売れっ子の漫画家となり、暁海も趣味の刺繍に時間を費やすことでふたりの間に溝が生まれていき…。

それぞれの糸が複雑に絡み合う感動の愛の物語、ふたりにはどんな結末が待っているのか。

汝、星のごとくのネタバレ感想

最後に読んだ感想をまとめます、結末を含むネタバレに触れておりますので読む際はご注意ください。感動したのはもちろんですが、普段から当たり前に感じていることもそうじゃないんだということを改めて噛みしめたくなる、悲しくも素敵な物語だったと思います。

暁海と櫂の成長

暁海と櫂の高校時代から、30歳をすぎてお互い大人になったところまでを描く本作。読み始めた頃はまだ高校生だったのに、読み終える頃にはいい大人になっているふたり。

大人になるにつれて無邪気で本能のまま恋愛ができる高校時代とは違い、仕事やお金、自分たちの家族など様々な問題が浮き彫りとなっていきます。いろいろあってふたりは疎遠となりますが、暁海は趣味の刺繍を、櫂は売れっ子の漫画家として、自分の生きる道から目を逸らさず努力を重ねる姿にもまた感動を覚えます。

周りからの評価も収入面においても、大成功を収めていたのは明らかに櫂のほうでした。

ですが櫂は31歳で胃がんとなり、さらにはビジネスパートナーである尚人の自殺によって人生はどん底に。その頃から暁海は刺繍作家として成功を収め始め、二人の立ち位置は逆転していきます。

櫂が胃がんとなったことを知った暁海はすぐに櫂の元を訪れ、これまでの失った時間を取り戻すため共に過ごしていきます。もうなんだか読み手である私自身が過ごしてきた人生のような感覚でした、ふたりの思い出の地である高円寺で過ごした時間や、育った島での思い出を振り返り、このあたりから私の涙腺が崩壊し始めます(笑)

最後は櫂の要望で花火大会を見ることに。花火が打ちあがるのを待つ間に、暁海はすでに満身創痍の櫂の手を握り締めます。ほんの少しだけ櫂は握り返してくれます。そして花火が打ち上がり始め、もう一度櫂の手を握りますが、もう握り返してくれることはありませんでした。いやこれさ、読んで泣かない人おるんか?とこの感想を書きながらつくづく思います。

結末としては悲しくはあるんですけれど、ふたりともきっと幸せだったんじゃないかなぁ。余談ですがこの感想を書くのに何度も内容を振り返った結果、ほんとうに泣きすぎて辛かったです、ほんとにやばい。(褒め言葉)

プロローグからエピローグまでの繋がりが完璧

一番初めのプロローグでは、北原先生と結婚した暁海目線で「月に一度、わたしの夫は恋人に会いにいく。」という文から始まります。唐突になんとなく不穏な気配を感じますよね、結婚相手が恋人に会いに行くとはどういうことなんだろう。島のあちらこちらでこの夫婦について噂話がされているようですし、なんだか暁海は気の毒だなぁと。

しかし最後のエピローグでは同じく暁海目線で「月に一度、北原先生は菜々さんに会いにいく。」というプロローグとは対を成す形の書き出しで始まります。菜々さんとは北原先生の元教え子で、北原先生のお子さんである「結」の実の母親でもあります。事情があって一緒には住めていませんが(次回作の「星を編む」で理由がわかります)、北原先生が定期的に菜々さんに会える環境であることが分かれば、不幸話ではないとわかりますよね。

この対を成す文は両方とも同じ意味合いなんですが、背景を知ることで感じ取り方がまったく違ってくるということを著者は伝えたかったんじゃないかと思います。つまり初めのプロローグで私たち読み手は島の住人同様、北原先生と暁海の上っ面しか知らなかったわけです。それが物語を読むことでいろんな背景を深く知ることができ、端から見たら気の毒に見えるかもしれないけど、当の本人たちはそれが幸せなんだということを理解できる。

文章でこれら一連の流れを伝えるのってめちゃくちゃに難しいと思いますし、私のような素人にはこのような話を構成するやり方なぞ検討がつきません。やはり本屋大賞を受賞する作品って本当にすごいですよね、凪良ゆう先生の伏線回収のやり方はさすがだなぁと感じます。

櫂が書いた「汝、星のごとく」

作中で命を落とすことになる青埜櫂は生前、最後の作品として小説を書き上げます。そのタイトルは本書同様「汝、星のごとく」でした、この意味について少し考えてみます。

愛する暁海への想い

「汝、星のごとく」の「汝」とは愛する暁海、「星」はふたりで見た夕星(金星)を指しているのだと思います。いつまでもふたりで見たあの夕星のように輝いていて欲しい。もしかしたらそんな意味が込められているのかもしれませんが、それは櫂のみぞ知ることなんでしょうね。

この小説を暁海はひとり砂浜で読むことになります。櫂との様々な思い出を振り返りながら、二度と一緒に過ごすことはできない寂しさも感じつつ、彼が綴った一文字一文字を噛みしめたことでしょう。読み進めている彼女の心境を想像するだけでも、また涙が溢れてきそうです。

映画化やドラマ化はするの?

汝、星のごとくの作品情報についてネットで調べてみると、関連キーワードに「映画」という文言が。今後映像作品になる予定はあるのでしょうか?

映像作品になる予定はなし

残念ながらいまのところ、「汝、星のごとく」が映画やドラマになるいう情報はありません。(2024年3月現在)

これだけ話題になって作品ですからね、ドラマか映画にはなってもおかしくないんじゃないかなとは思いますが。でも文字だけでこの感動レベルですよ…実写映画にでもなってみてください、私たぶん最後までまともに見れませんよ…それだけが心配です(笑)

ネットでの口コミを見るとやはり実写化を待っている読者の方々も多いようです、それくらいみなさんの心の中に残った名作だったんですね。もし実写化したら暁海と櫂を演じるのはどなたなんでしょうか。

まともに見れないとは言いつつも、映像作品となったら間違いなく拝見させていただくと思いますので、いつになるかも分かりませんがみなさん期待して一緒に待ちましょう!

まとめ

今回は凪良ゆう著「汝、星のごとく」のあらすじとネタバレ感想をまとめてみました。

人生は人の数だけ存在する。家族、仕事、恋愛、本当に何ひとつ正解ってないんだよなと改めて考えさせられる作品でした、これだけの可能性があるんだから他人と比較しても無駄だよね。

ぜひ本書をお手に取って感動を体感してみてくださいね。

この記事が少しでも多くの方の参考になりましたら幸いです。

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