本記事では夜は短し歩けよ乙女のあらすじとネタバレ感想に加えて、アニメ映画や聖地についての情報をまとめています。まだ読まれていない方はご注意を!
今回は 森見登美彦著 「夜は短し歩けよ乙女」をご紹介致します、小説からアニメ映画化、舞台化もされているので名前を聞いた事がある人が多いかもしれませんね。
「夜は短し歩けよ乙女」という作品名、個人的にこの言葉の響きが大好きで声に出して言いたくなります。なんだか文学的だけど可愛らしくもある、作品名からすでに著者である森見登美彦さんのセンスがめちゃくちゃ光っているなぁと感じます。
黒髪の乙女とこんな大学時代を過ごしてみたくなる、とても素晴らしい作品です。いまから大学に通う人たちが羨ましくなりますね。
ということで読了いたしましたので以下、あらすじとネタバレ感想、アニメ映画と聖地の情報をまとめていきます。
夜は短し歩けよ乙女の作品概要とあらすじ
まずは作品概要に加えてあらすじを簡単にまとめます、読む前の事前情報としてどんな小説なのか知りたい方は要チェック!
作品概要
2006年11月29日角川書店より刊行され、第137回直木賞候補、2007年本屋大賞では2位を獲得。
2017年の2月時点で累計売上130万部のベストセラー、著者である森見登美彦さんの代表作といっても過言ではないでしょう。
後にまとめておりますが、アニメ映画も人気で映画館に足を運んだ方も多いのでは?また文庫本の表紙絵はイラストレーターの中村佑介さんがデザインを担当しており、お洒落な見た目も相まってより人気が高まっている印象があります。
あらすじ
これはとある京都の大学に通う「私」と、私が思いを寄せている後輩「黒髪の乙女」が織りなす、キュートでポップな恋愛ファンタジーである。
木屋町のお祝い会
通う大学のクラブのOBである赤川先輩が結婚することになり、木屋町の西洋料理店でお祝い会が開かれることになった。
そこには一目惚れをしたが距離感を縮めることのできていない黒髪の乙女の姿もある。こんなまたとないチャンスを生かさないわけにはいかないと息巻いていたが、彼女のそばに座ることもできず私はほぼ諦め状態。
お祝い会がお開きとなり彼女の行方を注視するも、どうやら彼女は二次会にはいかず帰ってしまうらしい。どうしても諦めきれず、私は彼女の後を追うことに。
偽電気ブラン
お酒がとにかく大好きな黒髪の乙女は、先輩ばかりで好きにお酒を飲むことができなかったお祝い会に満足できず、一人バーに入っていく。
そこでは長い顔に無精髭が伸びた東堂さんと知り合いになる、話を聞くと錦鯉を育てて売る商売を行っているらしい。彼女は彼に、もっと美味しいお酒が飲める店を教えてあげると言われ、「偽電気ブラン」という門外不出の酒の存在を教わる。
店を変えてまた飲み始めたふたり、次第に東堂さんは黒髪の乙女の身体を触り出した。助平親父であった東堂さんを、たまたま居合わせた羽貫さんと樋口さんが阻止。
彼女はこのふたりとまた店を変えお酒を飲むことに、そこで偽電気ブランは金持ちの李白がたくさん持っているという情報を得る。
李白との飲み比べ
その後、先斗町へと移動し李白と出会った黒髪の乙女は、偽電気ブランの飲み比べ対決を挑むことに。しかし酒好きの彼女はこの勝負に難なく勝利。
一方そのころ、彼女を追っていた私はなんとか李白の元までついてきたものの、迫力ある飲み比べ対決に近寄ることができず、ついには酒癖の悪い古本屋にからまれ酒を飲まされていた。
酔いが回って気持ちが悪くなっていた私の近くに、偶然対決を終えた彼女の姿があった。
具合の悪そうな先輩を見た黒髪の乙女は、医者を呼んで彼の無事を見届けると共に、同じクラブでありながら先輩の名前すら知らないことを不得の致すところと感じ、次に会ったときは名前も覚えて今夜の思い出話をしたいと考える。
そして夜の先斗町の石畳を歩き始め、とても楽しかった今宵の旅路に想いを馳せ彼女は呟く。
「夜は短し、歩けよ乙女。」
私と彼女の恋の行末はいかに?
夜は短し歩けよ乙女のネタバレ感想
ここからはネタバレ含む感想を記載しております、結末を知りたくない方はこれ以上読まないでね!
言葉の言い回しが素敵
物語は率直に「面白い!」の一言ですが、内容に文学的表現が多いものの読みづらさはいっさい感じないのもすごい。
著者の森見登美彦さんの良い意味での日本語的表現というか、どうしてこんな美しい文章表現ができるのだろうという印象がとても残ります。
言い回し一つにしてもなんか可愛い。「お友達パンチ」とか「なむなむ!」とか幼稚な表現なのにスッと入ってきやすい、これが森見作品の特徴でもありますね。
特に黒髪の乙女が発する言葉にはこういった表現が多く、若干抜けているようなその可愛らしさから思わず読み手も恋をしそうになりそう、読み終えた頃には一目惚れした先輩の気持ちもわかります…。
読書初心者も読みやすい!
お話の内容としてはファンタジー色強めの恋愛小説です、ただ単に恋模様を描くのではなく、大学生活を通して様々な体験をしたり、ときには超個性的な人物にはちゃめちゃにされたりと読者を飽きさせません。
樋口師匠もさることながら、李白やパンツ総番長など個性豊かなキャラクターがたくさん登場しますので、文字を読むだけでも場面のイメージがとてもしやすい。
さすが直木賞候補や本屋大賞2位に選ばれた作品なだけありますね、本屋さんでもよくおすすめ本として目にするわけです。
読書初心者にとっては少しボリューム感多めかもですが、学生の読書感想文の題材にはちょうどいい作品だと思います。
結末について
最終的には先輩が黒髪の乙女をお茶に誘い、喫茶「進々堂」にてふたりが待ち合わせをする場面で終幕となります。
これからふたりがお付き合いをするのかはわかりませんが、微笑ましくこちらも幸せな気分になる終わり方に拍手を送りたくなります。
そして最後に黒髪の乙女が呟いた一言。
「こうして出逢ったのも、何かの御縁。」
私たちも生きていると様々な御縁がありますが、この物語のような素敵な御縁というのは死ぬまで大切にしていきたいものです。
はじめから終わりまで、大変楽しめる良作でございました。
アニメ映画と聖地
本作はアニメ映画もかなり人気!加えてファンも多く、小説を持って聖地巡りをするたもいるみたい。これらを知ることでより作品の世界観も楽しめるようになりますよ!
アニメ映画
アニメ映画は2017年4月7日に公開、主人公である「先輩」役に俳優や歌手として大活躍の星野源さん、ヒロインの「黒髪の乙女」役は数々の人気アニメでキャラクターに声をあてている声優の花澤香菜さんが務めています。
さらに監督は湯浅政明さん、脚本は上田誠さん、キャラクター原案は中村祐介さん、主題歌に人気バンドのASIAN KUNG-FU GENERATIONが担当しており、同じく著者の森見登美彦さん原作アニメ「四畳半神話大系」と同じ製作陣が集結。
物語もさることながら、キャラクターデザインや音楽を含めて夜は短し歩けよ乙女の世界観にぴったりハマっており、絶対に映画も見て欲しいです…!ほんとーに見て損はないからね!
作品の聖地
ご存知の方も多いと思いますが本作の舞台、いわゆる聖地は京都です。
先斗町、木屋町、鴨川デルタ、下鴨神社、糺の森など京都のいろいろな場所がお話の中に出てきます。関西に住んでいる方々は馴染みの地名かとは思いますが、それ以外の方は初めて聞く地名も多いかも?
私は先斗町(ぽんとちょう)や糺の森(ただすのもり)の読み方すらわからず、この物語オリジナルの地名なのかな?と思ってましたが実際にある場所なんですね、いやあ勉強になりました。
いつか本作の文庫本片手に聖地巡りをしてみたいものです…。
まとめ
今回は夜は短し歩けよ乙女のあらすじとネタバレ感想をまとめてみました。
笑えるけどじーんともくる、なんとも言えないこの感情…すごい素敵な物語でした。世の大学生たちよ!青春を謳歌したまえ!
私も森見さんのような美しい文章表現ができるようになりたいものです、これをきっかけに他の作品も読んでみたいと強く感じます、というか絶対に読みます(笑)
本記事が少しでも多くの方の参考になりましたら幸いです。