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「シャーロック・ホームズの凱旋」あらすじとネタバレ感想!森見登美彦の新作小説

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本記事ではシャーロック・ホームズの凱旋のあらすじとネタバレ含む感想をまとめています。結末まで触れておりますので、まだ読まれていない方は十分ご注意ください!


森見登美彦著「シャーロックホームズの凱旋」

とうとう発売されましたね、森見登美彦さんの新作小説!この時が来るのをずっと待っていたぞ…!

2024年1月22日中高公論新社より刊行、森見登美彦さんの作品としては2020年に刊行された四畳半タイムマシンブルース以来の新刊となります。

本作はタイトル通り、かの有名なシャーロック・ホームズをメインに据えた作品になっているらしいのだが、なぜかこの作品のホームズはロンドンではなく京都に住んでいるらしい。まったく、また森見氏の素晴らしいおふざけが始まったようだ。

さっそく森見版シャーロック・ホームズを読了しましたのであらすじと感想をまとめていきます。

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シャーロックホームズの凱旋のあらすじ

まずはシャーロック・ホームズの凱旋のあらすじを簡単にまとめています。まだ読んでいない方向けにここに記載のあらすじでは結末に関するネタバレを記載しておりません。ただ何も知らないまま読みたい方はこれ以上読まないでね!

物語は5つの章で構成

シャーロック・ホームズの凱旋は前後のプロローグ、エピローグと以下の5つの章にて構成されております。

  1. ジェイムズ・モリアーティの彷徨
  2. アイリーン・アドラーの挑戦
  3. レイチェル・マスグレーヴの失踪
  4. メアリ・モースタンの決意
  5. シャーロック・ホームズの凱旋

それぞれの章はメインとなる人物とともに、その人物の行動や心情を組み合わせてタイトルがつけられています。本作のタイトルである「シャーロック・ホームズの凱旋」は第5章につけられたタイトルであり、物語の根幹が語られている章でもあります。

あらすじ

天才的な名探偵シャーロック・ホームズはその手腕を遺憾無く発揮し、数々の難事件を解決してきた。彼の助手であるジョン・H・ワトソンは、彼の許可を得て事件の記録を雑誌「ストランド・マガジン」に発表している。このホームズ譚を記載した雑誌は小説愛好家たちの目に留まり飛ぶように売れた。雑誌が売れれば彼らは更なる名声を得る。ホームズの元にはファンや依頼人など多くの人々が集まり、まさにお祭り状態だ。

しかし、これらの栄光はホームズの「スランプ」によって崩れていくこととなる。ホームズはいつの間にかスランプという泥沼に足を踏み入れ、それが底無し故に引き返すこともできなくなっていた。さらにそこへ「赤毛連盟事件」という大失敗が重なってしまう。以来、ホームズは住居である寺町通221Bへ立て篭もるようになり、「ストランド・マガジン」の売れ行きも激減してしまった。

スランプに陥ったシャーロック・ホームズは世間的には死んだも同然の状態。この物語は、難解で脱出不可能なホームズのスランプを、舞台裏からみた報告書である。ホームズはワトソンと共にスランプを抜け出し、「凱旋」を果たすことができるのか。

シャーロックホームズの凱旋のネタバレ感想

ここからはシャーロック・ホームズの凱旋のネタバレ含む感想をまとめていきます。感想では結末にも触れておりますのでお読みになる際はご注意ください!

ホームズが京都にいる驚き

世界的にも有名なあのシャーロック・ホームズがヴィクトリア朝京都を舞台に、相棒のワトソンや家主のハドソン夫人、同じ寺町通221Bに住むモリアーティ教授などと、自身のスランプを抜け出すため奔走する物語。いやロンドンじゃなくて京都なの!?森見さんは京都を舞台にした作品が多いとはいえ、いくらなんでもかの有名なホームズを京都に降臨させたらしっくりこないのでは…と少し心配しておりました。

しかしそこはやはり実績のある森見登美彦さん、きちんとまとまりある内容で読んでいるうちにその違和感も消えていき、まるで初めからホームズのお話は京都で起こったことであると錯覚しそうになります。いやでもまさか京都にシャーロック・ホームズとはね…作品が発表されてからずっと驚いてました。いやはや、小説家の方々って発想がすごいです。

終盤にかけての急展開

物語の登場人物たちは京都に住んでいます。そのため本来ホームズが活躍するはずの「ロンドン」という街はみんな知りません。しかし第四章ではモリアーティ教授が「ロンドン」という異世界を知っていることが判明。その後「東の東の間」より失踪を遂げたモリアーティ教授とホームズを追い、ワトソン自身も東の東の間へと向かいます。

そして第五章ではワトソンが眠りから目覚め、ホームズ譚の小説執筆に行き詰まってしまってから一週間が経過したところから描かれていきます。ただなぜかこれまでの話の辻褄が合わない…読み進めていくとワトソンは京都ではなくロンドンにいるということが分かります。まさかのまさか、東の東の間はロンドンへとつながっていたというわけです。

京都から急にロンドンの話になって、しかもこちらの世界線ではワトソンの妻であるメアリはすでに亡くなっているときたもんだ。ここも驚きポイントでしたし、続きが気になってそれからは一気見覚悟ですね。どんどん新たな展開が終盤にかけて起こってくるので、読んでいてわくわく感がありました。

結末について

ロンドンからなんとか「東の東の間」へと戻ってきたワトソンとホームズ、そしてモリアーティ教授。その後この事件をきっかけにホームズは引退宣言を撤回し、人々から憫笑されながらも小さな事件を解決しながら徐々にまた実績を作っていきます。やがて世間の信頼を取り戻したホームズはこれまで通り大忙しとなり、ワトソンによるホームズ譚の連載も再開されることに。めでたしめでたしという感じ。

まあハッピーエンドな結末ですよね。スランプも無事に抜け出して、いろいろなことがまた前に進み始めました。個人的には「シャーロック・ホームズ」とタイトルにあったため謎解きとかそんな内容だと思っていたので、ある意味裏切られた感はありました。

もちろん悪い意味ではなくこれはこれで凄く面白い物語でしたが、もし続編などが出る場合はホームズとワトソンのコンビで何か大きな事件に立ち向かっていくような、そんな話も読んでみたいなぁと感じます。

シャーロックホームズの凱旋の文庫化は?

今回発売されたシャーロック・ホームズの凱旋は単行本サイズになります、一回りサイズの小さい文庫本での発売を待っている方もいるのではないでしょうか?

文庫化の予定はなし

残念ながら今のところシャーロックホームズの凱旋の文庫本が発売される予定はありません。

前作の四畳半タイムマシンブルースは2020年7月29日に単行本が刊行され、2022年6月25日に文庫化がされています、その間約2年ほど。なので本作も同じくらいかかることを想定しますと2025年の年末、若しくは2026年の年始あたりに文庫化されるのではないかと予想します。

私は早く読みたくて今回発売された単行本を購入しましたが、コレクション目的で文庫本も購入しようかと考えております…。文庫化が待ち遠しいですね!

まとめ

今回はシャーロック・ホームズの凱旋のあらすじとネタバレ感想をまとめました。

毎度森見氏の作品には、「なんでこんな発想が生まれるんだ…?」と驚かされます。ホームズとワトソン、小説の歴史上でも有名なふたりのお話ですが、森見氏に色付けされるとこんな奇想天外な物語になっていくんですね。

今作の余韻に浸りつつ、相当先になるとは思いますが森見登美彦さんの次回作にもまた期待して待ちたいと思います。気になった方はこれを機にぜひ森見登美彦さんの他作品もチェックしてみてくださいね!

本記事が少しでも多くの方の参考になりましたら幸いです。

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